ノミ・ダニ予防(猫編)

ノミ・マダニの予防はノミ・マダニの媒介する様々な病気の予防にもつながります。

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ノミについて

 ノミは寄生している猫ちゃんを飼育しているあらゆる場所に見られます。室内飼育だからといって安心はできません。さなぎから孵化した成虫はすぐに宿主となる動物を探します。また、一度宿主に寄生すると、ほとんどの場合移動することはありません。

ノミの寄生は、ノミアレルギー性皮膚炎の原因になったり、瓜実条虫を媒介したりします。また、大量のノミに吸血された動物は貧血を起こしてしまうこともあります。

よく「うちの子にはノミはいません」という方がいますが、壱岐などの田舎では特に暖かい時期にノミのいない犬猫はいないと思った方がいいでしょう。時々室内飼育だからノミはいないと安心している人がいますが、窓際にきた野良猫、人が外から持ち込むなどノミはどこからでもやってきます。逆にいったん室内に入られると環境がいいので一年中繁殖することになります。室内にノミ駆除剤と撒いたり、噴霧しても卵には効かないことがほとんどで悪循環です。

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マダニについて

 マダニは道端の植え込みや山や林、公園内に自生している草木の葉の先端などから外出中の猫ちゃんが発する二酸化炭素や振動や体温などに反応して猫ちゃんめがけて跳びつき皮毛に潜り込んで吸血します。また、マダニは重症熱性血小板減少症候群(SFTS)やライム病を媒介したり、大量に寄生すると貧血を起こしたりします。

寄生しているマダニを見つけた場合に無理に引っ張ると、顎体部だけが残りその部分に皮膚炎などを起こすことがありますので、動物病院で適切に処置をしましょう。

SFTS:重症熱性血小板減少症長崎県でも多くの猫ちゃんでの感染が確認されてきています。屋内外自由、外飼の猫には市販のノミ取り首輪とかではなく、必ず動物病院で処方される効果の確かな駆除・予防剤を使用して下さい。

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ノミ・ダニをきちんと予防はしていますか?

猫ちゃんの外出にはノミ・ダニに遭遇する機会が多くあります。ノミ・ダニの予防または駆虫をせずにノミ・ダニが付着したままお家に帰ってしまうと猫ちゃんに様々な被害を及ぼします。普段から動物病院で処方されるきちんとしたノミ・ダニの駆虫薬を使用することをお勧めいたします。駆虫薬には様々な種類があり、それぞれ効能が違っています。ノミ・ダニだけに効く駆虫薬、ノミ・ダニ以外の寄生虫にも効く駆虫薬等の他に駆虫薬によっては投与の仕方や効果のある期間も違ってきます。

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ノミ・ダニに困ったら

 ノミ・ダニの駆除を一度したからといってもう終わりではありません。猫ちゃんの生活環境にはまだノミ・ダニやその卵や幼虫などが潜んでいる場合もありますし、外出をした時に新たにノミ・ダニに寄生されてくる場合もあります。そして駆虫薬には効果のある期間があります。一度駆虫したあとでも継続して予防し続けることが猫ちゃんや我々人間の為にも必要です。
ノミ・ダニの被害または駆虫方法に困ったらお気軽に当院までご相談下さい。

※動物にダニが寄生していたら、勝手に取って潰してはいけません。潰すことによりSFTSをはじめ様々な病原菌に感染する可能性があります。

製品名 ノミ成虫 ノミ卵 ノミ幼虫 マダニ フィラリア幼虫 猫回虫 猫鉤虫 瓜実条虫 猫条虫 多包条虫 ハジラミ 耳ヒゼンダニ
ブロードライン
フロントライン プラス
レボリューション
アドバンテージプラス
ブラベクトスポット

ノミ取り首を使っていますが、大丈夫でしょうか?
 ノミ取り首輪は少し古いノミ駆除方法です。それと、少し古いのですが、ノミ取り首を使用している猫は口の中に扁平上皮癌という悪性腫瘍ができやすいとう気になる報告がありますので、使用は控えたほうがいいかもしれません。<4>

犬用のノミ駆除剤を猫に使って、大丈夫でしょうか?
 決して使用しないでください。犬用のノミ駆除剤の中には、高濃度のペルメトリンを含有する製品があります。この成分は猫が中毒を起こし、命に関わることがあります。

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参考文献・資料等
  1. 伴侶動物治療指針 Vol.5; 62-71:マダニ伝搬性疾病とマダニ防御
  2. 伴侶動物治療指針 Vol.9; 38-47:マダニの生態と防除
  3. 伴侶動物治療指針 Vol.9; 48-58:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の最新知見
  4. Environmental and lifestyle risk factors for oral squamous cell carcinoma in domestic cats


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